281人が本棚に入れています
本棚に追加
休み時間になり、教室にいられない眞紀は校庭へと出る。外には様々な学年の生徒が遊んでいる。いいな、そう思いながら裏へ回る。裏はプールと畑に面し、生徒が来る事はあまりない。隅に座るとため息をついた。隣には飼育小屋がある。一年生達がウサギに葉っぱをあげるのをみて羨ましく思った。
教室に戻り席に座った。次の授業の準備をするために。ふと隣の席が離れてる。誰かぶつかって離れたんだ。眞紀は自分の机とくっつけた。チャイムがなり遊んで来たクラスメイトが戻って来た。クラス内はまた騒がしくなった。しばらくして隣の席の男子、明仁が戻ってきた。眞紀とくっついている机をみて慌てて離す。そしてグループの方へ向かって何か話していた。グループの男子が眞紀を見ると何か言っている。
「まじかよ~丸光菌がつくじゃん」
「あっくんカワイソ~」
楽しむように話していた。
ついに眞紀はばい菌扱いを受けるようになってしまった。
この日は眞紀の班が給食当番だった。白衣に着替え、当番表を見る。この日の眞紀はデザートを配る係りだ。皿にデザートを入れ一人づつ配っていく。たいていの人は受け取る。しかし、卓は違った。
「なぁ、あっくん、配って。」
隣でおかずを配っていた明仁に言う。どけよと、眞紀をこずくと白衣の袖の中に手を入れおたまを持つ。眞紀が触ったものを触りたくなかったからだろう。配り終えると卓は笑う。
「あっくん、今日はついてないね」
眞紀と交互に見比べながら…。
最初のコメントを投稿しよう!