消えた日

3/7
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
いや、落ち着くんだ・・・。 『何も見えない。』 また、あの女の人の声・・・。 『ここは、どこ?』 タンタンタン。 誰か階段をのぼってくる・・・。母さんか? 『何も見えない。』 くそっ!頭から離れてくれ!! 『目がほしい。』 やめてくれ。 「光季ー。いつまで、寝てるの!?」 ガチャ。 そうだ、母さんに言えば、なんとか・・・。 「母さん、目が開かないんだ!」 「あら~。光季いないじゃない。下に行ったのかしら。」 「俺は、ここにいるよ!」 なんで、声にも姿にも気付かないないんだよ・・・。 いや待てよ、気付かないはずがない。 俺の部屋は、ドアを開けたら、部屋全部が見える。なのに、気付かないなんて、ありえない。 タンタンタン。 駄目だ!母さんが、下に行ってしまった。 『あら、こんなところに目があるわ。』 またか!? グプッ。 痛ッ! 『見える。見えるわ。ありがとう。坊や。』 痛い!痛い!痛い!! 目が、目が、焼けるようみたいに痛い! 『痛かったかしら?』 俺に話してるのか!? 『目、見えないでしょ?』 なんなんだよ!あんたは!? 『私がいただいたから、見えないに決まってるか。』
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!