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いや、落ち着くんだ・・・。
『何も見えない。』
また、あの女の人の声・・・。
『ここは、どこ?』
タンタンタン。
誰か階段をのぼってくる・・・。母さんか?
『何も見えない。』
くそっ!頭から離れてくれ!!
『目がほしい。』
やめてくれ。
「光季ー。いつまで、寝てるの!?」
ガチャ。
そうだ、母さんに言えば、なんとか・・・。
「母さん、目が開かないんだ!」
「あら~。光季いないじゃない。下に行ったのかしら。」
「俺は、ここにいるよ!」
なんで、声にも姿にも気付かないないんだよ・・・。
いや待てよ、気付かないはずがない。
俺の部屋は、ドアを開けたら、部屋全部が見える。なのに、気付かないなんて、ありえない。
タンタンタン。
駄目だ!母さんが、下に行ってしまった。
『あら、こんなところに目があるわ。』
またか!?
グプッ。
痛ッ!
『見える。見えるわ。ありがとう。坊や。』
痛い!痛い!痛い!!
目が、目が、焼けるようみたいに痛い!
『痛かったかしら?』
俺に話してるのか!?
『目、見えないでしょ?』
なんなんだよ!あんたは!?
『私がいただいたから、見えないに決まってるか。』
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