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「おい、聞いてるのか!」
「人喰いめッ!」
「人殺しは地獄に落ちろ!」
「お前が生まれてから村は悪くなる一方だ、って父ちゃんが言ってんだ!」
「そうだ!凶作も病も全部お前が生まれたから…ッ!」
「何で…何でッ……
…お前……
何で生まれてきたんだよ!!」
心臓がドクドクと波打って、呼吸が乱れる。
苦しくて、冷や汗がでた。
(何で…?そんなの………そんなことッ…ぼくの方が知りたいよ!)
ぼくは動揺していた。
誰からも愛されず、名もないに等しい、醜いぼくに生まれてきた意味などあるのだろうか。
少年たちの言葉は続く。
「お前に存在価値なんてないんだよ」
「バケモノが人間に近づくな!」
「消えろよ!」
「死んじまえ!!」
かろうじて保たれていた世界は音を立てて崩れていた。
(ぼくは…いらない……………必要とされていないんだ)
何かが爆発しそうだった。
ぼくは森の中へ逃げ込んだ。
“消えたい”
そう、思ったから…
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