赤い少年。

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「お、おきな‥木…」 久しぶりに、しゃべったせいか声がかすれた。 けど、のどの痛みなんかよりも目の前にある木に意識が集中していた。 自分が小さいことをぬきにしても、木はかなりの大きさで、見上げても上までよく見えないぐらいだった。 葉がざわめき、風が吹く。 それが気持ちよくて、思わず目をつぶり、風を感じる。 葉の音が…風の暖かさが…なぜか安心できて、さっきまで荒れていた気持ちが静かに落ち着いてくる。 「誰かいるの?」 ビクッと、体が揺れる。 (まさか……村人?) 怖かったが、確認のため振り向いた。 「……男…の子?」 ,
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