8人が本棚に入れています
本棚に追加
「教えて‥くれるの?」
ーぼくみたいなバケモノに……
「…‥何?しりたくないわけ?」
「ち、がう‥よッ!教えて‥ほしい。ほしいけど…でもッ」
「はっきりいいなよ」
「ぼく…こんなんだし‥
真っ白で
何も出来ない役立たずで
みんなから嫌われて
生まれてきた意味すら
ないようなやつなのに…
…なのに
君は名前をくれて
教えてくれるって言って‥
‥嬉しいの、に…
……ぼくなんかが教えてもらうなんて悪いよ!
だって
だって
ぼくはッ…‥
バケモノなのに!!」
何でバケモノに優しくする?
「あのね‥」
「‥ッ……うん」
「シン…君のどこがバケモノなんだい?」
「………え‥?ぁ…髪とか目‥とか?」
「それを言うなら僕だってバケモノになるじゃないか。僕は自分も君もバケモノだなんて思っちゃいない。現に、僕はこの色を気に入っているし、自分だけの特別みたいじゃない?ここは日本だから、みーんな黒ばっかり!その中で赤い僕は確かに“異端”かもしれないよ。でも、後悔なんてするつもりもない。バカにするやつなんて潰してしまえばいい。この色があってこそ僕は僕でいられるんだ」
「僕は僕で…?」
「だって、そうだろ?この色も含めて、僕なんだ。赤じゃないなんて僕じゃないよ。それに、僕はシンが羨ましいって思うんだ」
話ながら徐々に近づいていた。
にっこりと満面の笑みで顔を近づける。
「羨ましい?……ぼく、が?」
驚きすぎて、か細い声しか出ず、思考がまわらなくなってしまう。
「そうだよ。シンが…羨ましい」
意味がわからない。
バケモノが……羨ましい?
どういうこと?
最初のコメントを投稿しよう!