そして今。

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そのせいか、知らぬ間に様々なウワサがたっていた。 「丘の上の稲荷神社の狐様の呪いじゃないか」 とか、 「奥様は、すでに食べられてるのでは…」 「ここ数年みてないかなのぅ」 ただの引きこもりです。 ……原因はぼくだけど。 「あの家は、亡くなられた大奥様に祟られてるんじゃよ」 「おぉ…おそろしや」 ………え?まぢ? 「気のせいだろうか…。成長してないような気ぃしねぇか?」 「何と!?…あやつ不死身なんじゃろか?」 ……………いやいや。 童顔な上に小柄で成長が遅いだけで、ぼくだってちゃんと……の、のびて…大きくなってます! 不死身なわけないじゃないか! 「まぁ…とにもかくにも ・・・・ バケモノには変わりねぇか。」 ……バ・ケ・モ・ノ… 誰も、ぼくの名前を知らない。 呼んでくれる人がいないから。 いつしか、バケモノが名前になっていたような気がする。 いつも心の中で思っているし、村人に言いたいことや、母上にわかってもらいたいことだって、たくさんある。 でも、これ以上嫌われたり、虐められるのが… 「…こわい…ッ…」 生きているのが辛くて、怖くて、苦しくて、泣いてばかりだ。 ねぇ、教えて? ぼくは… 何のために生まれてきたのですか? ねぇ
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