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綺麗に降り注ぐ紅の雪 …。
そう、それはまるで夢の世界。紅の雪達は幻想的な輝きを放ちながら降り注いでいた。
その美しくさを例えるならばまるで紅の華。見たこともないような紅の輝き…
…ぐっ!激しい痛みと共に俺は我にかえった。…恐る恐る痛みのある腹部に視線を落とした。…そこには血で赤く染まってしまった白いTシャツ。俺はTシャツをめくりア然とした。
信じられない程の大きな深い傷、そしてその傷からは気持ちの悪い臓器…腸がはみ出し垂れ下がっていたのだ。
噴き出す血潮が狭いバーに降り積もる…。店にいたマスターを含め飲んでいた客達は皆パニック状態。我先にと狭い店の狭い入口に殺到し逃げ出してしまった。残されたのは瀕死の俺と…そして紅の瞳を持つ男だけ…。
…血の大半を失われ、身体がもう動くことさえままならない。俺は無意識に神に祈っていた…いるかいないかも分からない神という存在に。信じていないのだから当然のことなのだろうか、やはり祈りは虚しく、紅の瞳の男が歩み寄ってきてるのを感じる…くっ、くるな!俺は必死に叫びそれと同時に逃げられない死への恐怖に絶望した。
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