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全速力で走ってきた女の人は、いきなり飛び上がってフウさんに抱きついた。
『…ちょっ、ライッ!?
ひ、人が見てるからさッ!
』
『…人?』
ここで初めて俺らに視線を移して気付く。
俺らは会釈で返した。
『…マジカライズの人は全員ここに居るのに、人を連れてきたって事はぁ……。』
『そう、待ちに待った救世主だよ。』
『…えぇ~ッ!!
この子たちが救世主なのッ!?
2人共、あたしより年下だろうに凄いのねぇ~!
名前は何て言うの?』
「俺は煌で、」
「私は美優ですぅ。」
『コウ君にミユちゃんねッ!
私はライッ、よろしくねッ!
みんなぁ~~!!
フウが伝説の救世主を連れて来てくれたわよぉ~!』
ライさんの声に、
『救世主だって!?』
『本当かッ?!』
と、人が集まるは集まるはで俺たちはあっという間に集団に囲まれた。
『ほぉほぉ、この者たちが異世界からの伝説の救世主であるか。』
1番歳を召した感じのお爺さんが俺たちをマジマジと眺めながら。
『……で、フウ?
この者たちの実力の程はどうなのじゃ?』
『はい、フォウ老師様。
結構な数のダストとフライダストと戦わせましたが、難なく倒してくれました。
女の子の方は弓がもの凄く得意なようです。』
『そうかそうか!
…で、男の方は?』
『私の魔法はナイトを選んだのですが、剣の扱い方には慣れてないようです。』
『なら、ベアーに男の方の剣の特訓を頼むか。
女の方の魔法の特訓は、ライお主がやれ。』
『はいッ!
…しかし、あのベアーに救世主の特訓をさせるのはどうかと思います。』
『私も同じ意見です。
ベアーはそのようなのは性格上向いていないと言いますか…。』
俺らの側でフウさんとライさんがフォウと呼ばれるお爺さんと何か話し合っているが、とりあえず会話の流れ的にこれからの俺は大変な事になりそうだ。
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