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『ならば、他に剣を扱うのに慣れた奴がいるとでも?
お主が特訓出来る訳でもあるまい。』
『…は、はい。
それはそうなのですが…。
大体、あいつの姿だけ見当たらないようですがどこへ?』
『ここに居ないと言う事は、またマール村の跡地じゃろう。
お主が直接訪ねると良い。』
人の側で勝手に話し合っていたかと思ったら、急に話を振られた。
「…は、はぁ。
別に俺は、自分が強くなれるなら何でも……。」
まさか、この発言が仇になろうとはーーーーーー
『何でもと言うたな?
ならば多少辛い特訓だろうと耐えられるじゃろ。
フウ、やはりこの者をベアーの元に連れていけ。
覚悟は出来ているようじゃ。』
『……分かりました。
じゃあ、煌君は僕について来て。
美優チャンはしばらくライと行動を共にしてね。』
……何か凄くマズい事になった気がするのは気のせいか?
「えぇ~、煌と離れるんですかぁ~!?
不安ですよぉ~ッ!」
『あたしが居るから心配ないわ。
それに……』
「…それに?」
『今はきっと彼と一緒に居る方が危険よ。
彼の特訓の相手は怖い人だから。』
ライさんが美優に何か耳打ちをした。
「……じゃあ、おとなしくしてます。
…煌、じゃあ大変だろうけど頑張ってね!」
おい、お前は何を聞いたんだ美優。
何が待っているのか怖くなるような事を言うな。
「…お、おうッ!
美優も頑張ってな。」
軽い挨拶を済ませて俺たちは離れ離れになった。
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