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美優たちと別れてサリュ村を離れてから、俺はフウさんと2人で歩いていた。
「…今から会うベアーさんって、どんな人なんすか?」
『彼?
…う~ん………まず性格に難があるかな。
ひねくれ者で凄く短気。
自分の邪魔になる者はすぐに排除しようとする。
だけど、剣や剣に関する魔法を使わせたら右に出る者はマシカライズには居ない。
彼はそんな奴さ。』
今までに無いくらいに不安に襲われた。
本気で行きたくない。
「………大丈夫なんすか俺?」
『……ノーコメントで。』
「……………。」
俺は返す言葉がなく、それから後は2人は黙って歩いた。
そして間もなく、壊れた家屋がまだ残っている場所に着いた。
そこにある1つの影も見えた。
『…ベアー、待ちに待った救世主が現れたぞ。
彼がその内の1人、煌君だ。』
この言葉に、目の前の背の高い男は向こうを向いたまま顔だけこちらに向けて俺をチラリとだけ見た。
『ベアーには、彼に剣術を教えて欲しい。
ナイトなのに剣が上手く使えないんだ。』
フウさんのこの言葉に、今度は体ごとこちらに向けて、俺に向かって言い放った。
『…………殺すぞ?』
………ヤバい、会って数秒で殺されそうだ俺。
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