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状況を整理しよう。
俺を取り囲む敵は8体。
…よく考えたら、1人で相手するには多過ぎないかッ!?
みんな、さっきの光る指先の奴と同じ種類だ。
……レーザーダストとでも言ったところか?
俺に捨て台詞を吐かれた2人は、全く手伝う気など無さそうに少し離れたところで黙って見てる。
よし、ピンチをチャンスにしてやろうじゃねぇの。
「どっからでも来いよウジ虫野郎ども。」
言葉は伝わってるのか否か、3体が3方向から跳びかかってきた。
残りの5体は、そのままの場所から動かずに指先に光を溜め始めた。
「…っしゃあ!!」
俺は3体の内の1体に向かって行き、細長い脚をガッチリ掴んで振り回した。
俺に振り回された奴の体は他の2体を弾き飛ばす。
こうなりゃ状況は簡単。
そいつを掴んだまんま着地して、レーザーを溜めてる最中の奴らの中心に降り立つ。
その内の1体に掴んでいた奴をぶん投げて吹き飛ばす。
俺を狙う奴らはお互いの対角線上に並んだ4人。
俺はこいつらの中点。
頭の中にその図形はイメージ出来てる。
「…ヘヘッ、早く撃ってみろよ。」
レーザーのチャージが完了したのだろう。
一斉に指先から光るレーザーが真っ直ぐ放たれた。
「……やっぱりただ真っ直ぐ放ったな。
終わりだッ!」
普通なら俺が避けて、向かい合ってるお互いに殺し合わせると思うだろ?
違うんだねぇ。
レーザーに追跡機能があったら終わりだからね。
俺は剣の腹を横にして、1本のレーザー(1体)に突っ込んで行った。
剣が反射したレーザーが向かって行った1体にそのまま当たった。
残りの3体が放ったレーザーは、やはり屈折して俺を追ってきた。
よし、狙い通りだ。
「…後はこれでッ!!」
剣の腹を横にしたまま振り返り、3本のレーザーを剣で弾き返す。
左斜めから入ったのは右斜めへ。
右斜めから入ったのは左斜めへ。
対角から真っ直ぐ入って来たのはそのまま真っ直ぐ弾き返す。
3体全てにヒットした。
「……ビンゴッ!」
残るは、弾き飛ばしただけで未だに伸びてるだけの4体だ。
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