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フウさんがどこかへ去って、自分たちの歩く音しか聞こえない沈黙が俺らを支配していた。
「……あの、1つ聞いても良いですか?」
『…あん?
つまらねぇ事だったら速攻ぶっ殺だ。』
……あーあ、勇気を振り絞った自分を後悔するような返事が返ってきた。
つまらないかつまるかは、自分で判断しやがれッ。
「…いや、特訓って実際何をするんすかね?
剣道の練習みたいなもんすか?」
『……はい、つまらないからぶっ殺~す。
大体、ケンドーって何だそれ?
それに…特訓で何をするかなんて、いちいち聞かなくてもやれば分かるんだから黙ってれば良いんじゃねぇの?』
……どうしてこんなに感じ悪いかねぇこの人は。
「……そのすぐに人にぶっ殺すとか言うのは、やめた方が良いと思いますよ?
もう大人なんですから。」
言葉にたくさんの棘を含ませて俺は言い放った。
ほら、分かりやすいくらいに顔に出てらぁ。
『……お前は俺をバカにしてるのか?
あまりに調子に乗ってるとぶっ……飛ばしてやるからな。』
「…いやいや、問題はそこじゃないすから。
ぶっ飛ばすのは良いと思ってるんすか?
根本的に間違ってると思います。」
『………てめぇ、特訓の時覚えてろよ?』
どうやら完全に怒らしちまったみたいだ。
足取りは速くなって、どこに向かってるかも分からないままに俺は後ろを追わせさせられた。
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