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新しいクラスも2ヶ月ほどすると名前と顔を覚えてくるでしょ?
だから席替えっていう小さなイベントが行われる。
そして何故か隣の席にリョウ君。
「お前か!!」
なんてお互いに笑いながら突っ込んだりしたけど、気が合うのか更によく話すようになるんだよね。
席替えは月1程のペースでやってくる。加えて、班に男女各2~3人ずつでまんべんなく当たる様にローテーションする決まりがある。
それもあってか、リョウ君とは1年を通して同じ班、もしくは隣りの席になることが多かった。
思えば、リョウ君と仲良くなった頃にはもう恋心を抱いていたのかもしれない。
でも、その時はまだチカちゃんの彼だとは知らなかった。
二人の恋が終わろうとしてることにも気づかなかった。
だけど、事実を聞いたときに微かによぎった声。
……諦めよう
確かに彼に惹かれた心があった。
でも、チカちゃんを彼を応援しようと思った。
私はまだ彼をそんなに好きになっていない、と言い聞かせた。
1つ季節が終わる頃には二人は手を離していた。
不思議とチカちゃんの味方をしてた。
自分の気持ちが元々そこに無かったかのようで、こんな時どう言ったらいいのかな…
風が冷たさを増してまた一つ大人になっても、答えは見つからないまま。
ただ確かなことは、まだ彼が好きだったということ。
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