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潮騒を
聴いて
絵画の
遠くの
東の空で
白い
鳥たちは
青く青く
滲んでいく
静寂が流れ込む
けれど
泡立つ波に
漂白
された
影法師
私の腕も
髪も
いらないから
たゆたう空気に
飲まれていく
不誠実な
君は
嘘だと言った
たとえば
彼らが
手を引いて
私を
連れて行く
思えば
あの場所は
銀河だった
千億もの、
廃んだ祈りや
痛む嘆きが
星になれずに
泣いていた
居場所が
わからない
星たちは
宇宙という
無限の中で
絶えず
回っていた
私は知らない
私は聞こえない
拒絶した
先
次に
辿り着いたのは
静かな
私の部屋
孤独に降る
雨が
潮騒に
聞こえた
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