第1章 夢から覚めた現実

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「たっだいま~♪」 いつものように玄関を勢い良く開ける。 靴を脱ぎ捨て2階へと階段を駆け上がる。 「彷徨~!あのねー…」 ノックもしないで勝手に部屋のドアを開ける。 「びっくりしたぁ!姉貴ノックくらいしろよ。」 部屋には彷徨と、彷徨の友人2人が座っていた。 「おっと、失礼。あ、彷徨のお友達?ゆっくりしてってねー。」 3人が呆気にとられているうちにドアを閉める。 (やっべ。またやっちゃったなー…。) 彷徨も中学2年生。いわゆる『お年頃』ってやつだ。いつも部屋に入るときはノックしろだの友達が来ているときは絶対に部屋に来るなだの…やけに注文が多く、そして態度は素っ気ない。 嫌われたのだろうか?たまに不安になる。 (彷徨ってば…友達と何話してるんだろう…。) 悪趣味だが、やはり気になってドアに耳を付ける。
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