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(あれ…?)
ここで一つの疑問が浮かんだ。
うざいから素っ気ない態度をとっていたのではないのなら、なぜいきなり素っ気なくなってしまったのか…。
「じゃあ、彷徨はなんでいきなり冷たくなっちゃったの?」
特に考えもせずに思ったことを口にした。
「っそれは…。」
なぜかそこで口ごもり俯いてしまった。
「彷徨?」
具合でも悪いのかと思い、額に手を当てようとした。
パシッ
その手を彷徨に取られる。
「え…?」
一瞬何が起こったのか理解できなかった。
何かが唇に触れたかと思いきや、目の前には彷徨の顔。数秒後、ゆっくりと離れていく。
「か、なた?」
やっと状況を呑み込み慌てて口元を手で覆う。
ぐいっ
そのまま胸に引き寄せられ抱き締められる。
「ちょ!彷徨?」
もがいて離れようとするが、男の子の力に叶うわけもなく…
余計に腕に力が込められた。
「好きだ…。」
小さな、小さな彷徨の声が耳に入った。
「待って…私たち、姉弟だよね?」
心拍数は高いくせに、なぜか頭は冷静だった。
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