一日の始まり

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「そうなのか、謙介?」 「見てないから知らない」 謙介はまだ寝ぼけ顔のまま、頭をポリポリ掻きながら答えた。 「みんな、今、ちょうど出来たところだから座って」 タイミングよく美里がキッチンから顔を出して言った。 だが、その言葉から今までの四人のやり取りを気にも止めず、朝食を作っていたことがよくわかる。 美里は長女で家事全般を任されているが、たまに変なところが抜けていたりもするのだ。
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