466人が本棚に入れています
本棚に追加
その間、謙介と美香は欠伸をして眠そうに自分の席に座っていた。
その二人が家事を手伝わないことに誰も文句を言ったりはしなかった。
それが六飼家の常識と化していたからだ。
「いただきます」
朝食を並べ終えたところで、真哉が声を出した。
他の美里や美琴もそれに続く。
「響兄はまだ寝てるのか、毎日、毎日、羨ましいことこの上ないな」
美香が味噌汁を啜りながらぼやついた。
「美香、そういうこと言わないの」
美里が美香を宥めるように言った。
「まあ、美香の言いたいことは分かるが、ああいう輩はどうしようもない」
最初のコメントを投稿しよう!