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いつからだろうか……。
人が明日を夢見なくなったのは……。
人々は忙しなく動き続け、まるで悔いを残さぬよう働き続けている蟻のようだった。
……いや、蟻だって明日を見てるだろう。
科学力の進歩で人は死の恐怖から解き放たれた。
それはほんの十数年前までは治る希望がない難病までも完治させる技術が生まれたからだ。
だが、それだからと言って寿命が来れば人間は死ぬ。
それは例えどれほどの時が流れようとも変わらない事実だった。
沖縄の技術開発センターや東京の進化学研究所など、日本技術開発連盟は独自の開発機構を作り上げていく。
日本政府はそれを暗黙の認証として無視してきた。
そして余りにもおかしくなったこの世界に、崩壊の使者が訪れようとしていることは人類は気付いてなかった。
誰が悪いわけではない。
ただ、人類は進化しすぎたのかもしれない。
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