~光の機鋼神~

2/12
78人が本棚に入れています
本棚に追加
/163ページ
 和斗はゆっくり少女に近づいていった。  その金色のふわっとした髪は綺麗にまとめてあり、服装はどこかのお姫様を連想させた。……ドレスだろうか?  顔は透き通るように白く極め細やかだった。まるで陶器の人形のような美しい肌。  そして彼女は目を覚ました。青い瞳が、日本人とは違うということを示していた。 「………あら? 私は……」  少女は辺りを見回す。  いままで寝ていたのか、状況を理解していないようだ。 「……大丈夫かい? 怪我は? お腹空いてない?」  和斗はひとまず話しかけることから始めた。少なくとも彼女からはクィリェーダのような禍々しい感情を感じられなかったからだ。 「……貴方は?」  少女は質問を無視し、自然な微笑みを返してきた。  和斗は少し顔が赤くなりながらも気を取り直し、こう言った。 「……俺は浅羽和斗。光の軍勢のリーダーで……って、君にそんなこと言っても分からないか」  和斗は自己紹介の失敗に苦笑いする。すると彼女もつられてか、ごく自然的な笑顔で微笑む。 「えっと……君の名前は?」 「私の名前はリーネ。リーネ・エルトバインです。エルトバイン公国の第三位皇女ですわ」  そう言うとリーネはまた微笑んむ。エルトバインという聞いたことのない国の皇女と名乗るこの少女、そしてこの純白の機体……。果たして何なのだろうか?
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!