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リンもその後に続く。
二人が部屋を出ようとしたとき、
「ん…?」
「あれ?」
同時に足が止まった。
リンは落ちていた丸められた羊皮紙に、シャンは僅かに身じろぎした女性に視線がいく。
「……っ、ここは……?」
「あなたの自宅ですよ。森で倒れてたので連れてきたんです」
ランプの光に一瞬目を閉じる女性に、リンは紙を拾ってから声を掛ける。
女性はしばらくぼんやりとしていたが、状況が飲み込めたのか慌てて立ち上がる。
「ご、ご迷惑おかけしてすみませんっ」
「お気にならさず。背負って来たのはシャンですし」
「『気にしなくて良い』理由になってねーよ」
社交的な笑みを浮かべるリンにすかさずツッコミを入れた。
初対面だろうが何だろうが冗談をかますのは無差別らしい。
もしくは、冗談とすら思っていないのかもしれない。
二人が無言の火花を散らしている中、クスクスと女性らしい笑いが聞こえてくる。
「クス……お二人とも仲がよろしいんですね」
「どこがだ?」
「どこがでしょうか?」
返事は二人同時だった。
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