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「お兄ちゃんごめんなさい……迷惑かけて……」
埃っぽい小さな部屋。
簡素なベットの上に、少女が横たわっていた。
純度の低いガラスを使った窓からは街の光がこぼれ落ちる。
「謝ることはないさ。兄弟なんだから当然だろ?」
「でも……」
少女の言葉はそこで止まり、苦しそうに咳き込む。
淡い金の髪が薄い毛布へ垂れる。
彼は、少女の背中をさすってやりながら言った。
「大丈夫、必ず治してやる。絶対に……」
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