僕の好きなカノジョ

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 さらりとした彼女の髪はしなやかで触り心地が良さそうだった。 後ろ姿からでも分かる腰の高さは脚の長さを示している。 同じ制服姿でも周りの女の子と比べて、彼女はすらりとしていて頭一つ分ぐらい背が高かった。 僕よりほんのちょっと背が低いくらいだから女の子にしてはかなり背の高いほうに入るんだろう。 僕はそんな細い背中を見ながらモデルみたいで、ちょっとかっこいいなと思った。 こういうのを後ろ姿美人というのだろうか? そんな事を考えながら入学式の会場である体育館へと向かう。 まっすぐ背を伸ばし、凛とした背中から僕は目が離せなかった。 だけど、こういう子に限って前から見るとガッカリさせられたりするんだよな、なんて思いながら僕はゆっくりとその子のあとを歩いていた。 なんていうんだろう? 現実は甘くないことを知っているから、もう少しの間、理想の女の子だと思いたかったのかもしれないな。 まあ、そんなのはその子にしてみればいい迷惑で、僕の勝手な妄想みたいなもんなんだけど。 ホールに着いて僕は自分がクラスからだいぶ離れて歩いていた事に気付く。
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