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目の前の惨劇に唖然とするしかなかった。
車の中には人がいる。
助けに行かなくちゃとわかっていても、足は動かなかった。
今の今まで、殺されそうだった出来事は頭からすっぽり抜けていた。
人が集まってくる。
「おい!!そっちのドアは開かないか?!」
「大丈夫か!!生きてるか?!」
「誰か救急車呼べ!!」
「危ないから近寄るな!!」
男の大人の人が数人掛かりで車の中の人を引っ張りだす。
「ガソリンに引火するぞ!!離れろ!!」
誰かの言葉を皮切りに、車の前方の方が爆発した。
凄まじい音に、思わず後退る。
助けられた男の人は、腕が血塗れだった。
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