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「違う。事故死だ。あの事故に巻き込まれて」
死神と名乗る男は私の背後を指差す。
あれに、巻き込まれて??
確かに私が携帯越しにこの男に気付かなかったら、そのまま進んでいたら。
確実に巻き込まれていた。
「じゃあ貴方のそのナイフは??」
「これは人の運命を切ることの出来る由緒正しい小刀」
人の、運命??
「…死神だったら、鎌じゃないの??」
死神のイメージってそんな感じだ。
「あんな重いものいちいち振り回すのなんて、かったるいだろう」
「かった…」
「持ち運びにも適さない」
「………;」
あんまりな答えに若干の目眩を覚えつつ、そんな頭で必死に考える。
こんなアニメ、あったっけ??
アニオタのコスプレ??
しかし、コスプレにしては、雰囲気が重い。
嘘か嘘でないか判断の尽きかねる状況だった。
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