二章~間宮家~

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「誰だ、お前…。」 耳元で聞こえた自分の口を押さえていたヤツの声は、思っていたよりも若かった。 それでいて、落ち着いた張りのある声でもあった。 だが、そんな事よりも、その男の声から滲み出る殺気に体がその男を拒絶しようとする。 「おッ…お前こそ誰だよッ…!!」 やっと出て来た声は恥ずかしいぐらい震えていた。 「俺が聞いている。お前はその質問に答えればいい。」 男は有無を言わさなぬ勢いで、手に持つナイフに力を込めた。 「分かったか…?」 淡々と喋る男の声に、コクンと首を振るのが精一杯だった。 ちょっとでも動けば喉に突き刺さるという純粋な恐怖にただ頷く事しか出来なかった。 「…よし。お前はこの部屋に何の用だ?」 ーー何の用って…… 「ここは俺の部屋だッ!!」 「ーーー!!!!!」 俺が言った言葉で男が息を呑むのが分かった。 .
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