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「すいません……先輩…ゼェー」
隣にいる楓ちゃんも息を切らしている。
「いや、別に楓ちゃんのせいじゃないよ」
僕は息を整えて楓ちゃんの肩を叩きそう応えた。
「でも弱ったなぁ~これじゃあもう大通りには出れないぞ……」
「そうですね……」
二人で周りを見渡してため息を付く。
現在いるのは大通りから少し脇道に逸れた人の通りが少ない裏通り。
もし、今大通りに戻ったら完全に面が割れてしまった訳だし、噂にもなっているだろうから、もはや買い物どころじゃないだろう。
「う~ん……とりあえず歩こうか………」
仕方なく僕は楓ちゃんに視線で前に行くように促し歩き出す。
ここらへんは本当に人の出入りが無く、店なんて見つからないと思ったが、世の中は上手く出来ていた。
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