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すこし歩いた所にひっそりと佇む小さなお店があった。
ただそれは本当に小さくていっちゃ悪いが小汚く、注意して見てないと見落としてしまいそうな程の小さな店だった。
でも、いま高望みもしている余裕はない。僕と楓ちゃんは唾をゴクリと飲み込んで、そぉーとその店の中に入って行く。
―――
扉を開けるとカランコロンと何だか懐かしい音が鳴り響いた。中は少し薄暗く、人っ子一人いない。
だがそれでも、そこまで思ったよりも不気味な感じは受けなかった。
いや、むしろどこと無く落ち着く感じがする。
周りは全て木で囲まれていて澄んだいい空気。天上からはキラキラと輝くネックレスが吊されていて少ない明かりを部屋一杯に反射させている。
そう、この雰囲気は不気味と言うより『神秘的』と呼ぶのが正しい気がした。
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