44552人が本棚に入れています
本棚に追加
すると、その様子を横でじっと見つめていた楓ちゃんが、突然そぉーっと口を開く。
「あの、おじいさん……こういうので恋愛関係の奴はありますか?例えば恋が成就するとか……」
「あるよ」
「本当ですか!?」
おじいさんの発言に、楓ちゃんはほとばしる笑顔でやたら喰いついた。
そうか……楓ちゃんも女の子だもんな………好きな人の一人や二人そりゃーいるよな。
一体どんな人なんだろ?
「ほら、これがそうだよ」
今度おじいさんが持って来た石は蒼かった。同じぐらいの大きさで、深い海を連想するかのような蒼だった。
「これはね、好きな人の事を考えながら身につけていると、その人と恋が成就するって奴さ」
おじいさんが楓ちゃんの喰い入る視線に気が付いて説明する。
最初のコメントを投稿しよう!