44552人が本棚に入れています
本棚に追加
「おじいさん!これ値段は!?」
「ん?これも一万円でいいよ」
「ホント!!じゃあ……」
一万円という言葉に反応して、楓ちゃんは目を宝石のように輝かせてバッグの中を漁り出した。
そして乱暴に財布を引っ捕まえて、お金を取り出そうとする。
が……そこで楓ちゃんの顔が曇った。
「どうしたの?」
気になって僕は尋ねる。
「私……今お金ほとんど無くて、一万円なんてとてもじゃないけど払え無いのを忘れてました」
余程欲しかったのか、楓ちゃんは落胆の色を隠せれない様子だ。
「ハァーーー」
おまけに大きなため息。
う~ん……少し予算オーバーで、財布の中身はすっからかんになるけどこれぐらいなら仕方ないか……
最初のコメントを投稿しよう!