44552人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ………本当にいいんですか?」
「だからいいって」
5分後、結局折れたのは楓ちゃんだった。声を小さくして僕にネックレスを差し出す。
僕はそれをおじいさんに渡し、さっき入れて貰ったのと同じ紙袋に入れて貰い、お金を払って受け取った。
「はい。付けてみなよ」
僕はその紙袋を笑顔で楓ちゃんに渡した。
楓ちゃんは顔を赤らめながら無言でそれを受け取る。
そして中を漁ってネックレスを取り出し、紐を外して首の後ろに回した。
「どう、ですか?」
手をモジモジさせながら恐る恐る楓ちゃんは尋ねる。
「うん……凄く似合ってると思うよ」
正直、楓ちゃんには本当に蒼が凄く似合っていた。
今日の少し大人びた楓ちゃんの服装とも上手くマッチしていて、僕は思わず返答が適当になるぐらい見取れてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!