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「どうしたんですか?」
それが気になったのか、楓ちゃんは心配そうに僕に尋ねる。
「あっ、いや別になんでもないよ。
よし、買う物も買ったし、そろそろ帰ろうか」
「そうですね」
――
内心、見取れてた事がばれ無くてよかったと、冷や汗をかきながら、僕はおじいさんに礼を言ってお店を後にした。
おじいさんは「またいつでも来なさい」と、最後まで暖かな笑顔を向けて見送ってくれた。
お店を出た後、とりあえずまだ大通りに出る訳にはいかないので、僕達はギリギリまで裏通りを通って一番駅に近い所に出る事にした。
その閑散とした裏通りの古い住宅街を見渡してると、ふと、僕は楓ちゃんのネックレスに目がいった。
「ねぇ楓ちゃん。恋愛成就のネックレスって事はさ……楓ちゃんにも好きな人がいるんだよね?」
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