これは一応デート?

77/79
前へ
/340ページ
次へ
「はい……そうですけど………」 少し驚いて、楓ちゃんは答える。 「それってどんな人なのかな?」 「えっ?う~ん……そうですね~」 楓ちゃんはぼんやりと周りの風景に目を移し、少し考えたかと思うとゆっくり口を開いた。 「まず、すっごくかっこよくて、クールで、優しくて、でもいざと言う時には頼りになって……ともかくもう好きというより、私の尊敬の対象でもあります」 「へぇーーー」 嬉しそうに説明する楓ちゃんに、僕は感嘆の声を漏らした。 楓ちゃんにそんなに想われてるんだ、きっと僕なんかじゃ到底追い付け無いような凄い人何だろうな。 そんな事を考えていると、裏通りの終わりが見えた。これを抜けると大通りへと通じる。 そこで僕は一回脚を止めて、楓ちゃんに身体を向けた。 「じゃあ、二人じゃ目立つし、今日は此処で別れようか」
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44552人が本棚に入れています
本棚に追加