一部最終章 年の終わり

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だって普通に暮らしていたら、こんな刺激に溢れた生活は出来なかった。 そりゃ平凡な毎日、それも中々楽しいだろう。さっき言ったみたいな、学校に通い、勉強して、友達と遊ぶ。おおよそ99%の高校生がやっている事。 そんな生活もきっと楽しいはずだ。 でも、毎日てんてこ舞いに色々な所に飛び回ったり、街中で死ぬ程人に追い掛けられたり、何故か分からないが学校でライブをやったり、それの方がつまらない普通の生活よりもずっと刺激的で楽しいのではないだろうか? 「ふふっ……」 誰もいない部屋で、一人僕は自嘲気味に笑った。 誰かがいたら薄気味悪い事この上ないだろう。 僕も妬きが回ったもんだ。最初はあんなに嫌だったのに。 「シュン!!まだこんな所にいたの!?」 突然扉が開いて光が飛び出して来た。 「もう時間だよ!!早く来て!!」 「分かった分かった!今行くから」 僕はスクッと立ち上がり、急いで部屋を出た。 あーきっと来年も色々あるんだろう。きっともの凄く大変なんだろう。 でもその全てを、できたら楽しく乗り越えて行きたいな。 来年がいい年でありますように。 ~第一部 完~
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