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表通りに戻った俺とコウタはさっきの喧嘩の熱を冷ますように会話しながら歩く。 「コウタの蹴りは相変わらず冴えてるなぁ」 「シュウ、テメェなんか今日も秒殺だったじゃねぇか。早すぎ」 …などの会話を毎回している。 俺の部屋には格闘技の雑誌が山のように積まれ、一見マニアなのだが俺からしてみれば全て教科書なのだ。 一人で自分なりに技をストリート向けに改良し、より実戦に近づけ練習する。 学校の勉強には目もくれず、いつもそんなことばかり考えている。 実戦の勝負はあっけなく一瞬で決まることがほとんどだ。 漫画のようにダラダラとパンチの食らわせ合いをすることはまず無い。 だからその『一瞬』に俺の今の全てをかけるのだ。
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