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シュウ達が影からそっと覗く。
少年の歳はシュウより少し下だろうか、見るからにおとなしそうである。
四人の男は金目当てで少年を捕まえたのだろう。
四人のうちの一人が懐から収納式の警棒をシャキンと伸ばし、
「お金貸してよぉ」
と、行動とは裏腹の言動をとる。
「お断りします」
少年の態度は多人数に囲まれても毅然としていた。
その態度に男達は馬鹿にしたように笑った。
「道をどうしても開けていただけないなら…こちらにも考えがあります」
少年は荷物を足元に置くと、右手右足を前に出し構えを取った。
男達の眉間にシワがより、辺りの空気が一気に張り詰めた。
「何それ…武道かなんか? まぁいいや、死ねよ」
言い終えると男が警棒を振りかぶる。
その瞬間、すでに少年は男の振りかぶった手を取っていた。
そこから何が起ったのか解らないが、男はアスファルトの床に後頭部を叩き付けられ完全に気を失っていた。
続けて掛かっていった一人は背中を床に叩き付けられ悶えている。
残った二人は同時に掛かっていったが一人は路地の壁に思い切り叩き付けられ、最後の一人は気こそ失っていないものの、関節技のようなもので床に押さえられて動けないでいる。
ざっと一分間ほどで少年は男四人を片付けてしまった。
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