◇浦島太郎

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海の中から見えた月は、 ただの海月(クラゲ)かもしれません。   太郎はぼんやりと見上げ、 とても乾いた笑いを浮かべておりました。 おかしいじゃないですか。 空があるべき高いところに、 水の世界が広がってるのですから。   「天国(花畑)でもねぇ、地獄でもねぇ…」   太郎はそこに倒れていました。 流れ着いたにしても、この世にない風景。   「半端もんが流れ着く場所か?キツいな」   思わず砂を握りしめ、太郎が立ち上がると そこには、童子が一人たっており、 太郎を見てにこにことしています。
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