部屋。

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翳した左手から閃光が走り、とびかかってきたはずのモノはただ、壁に影が残るのみだ。 左手にはいつの間にか触手のようなモノが巻き付いている。 リュウ「オメガ・・・α?」 ―ふむ、なかなか力が強いな。 リュウ「いったい、今何が・・・起こったんだ・・・」 気がつけば取り囲まれている。 しまった・・・。 ―私に力をよこせ。 リュウ「力・・・」 ―力を・・・ 一瞬黒い閃光が走る。 奴らは一瞬で切り刻まれると、溶けて影になってしまった。 リュウ「う・・・・ぐ・・・っ」 体中が痛い。 張り裂けてしまいそうだ。 ―ふん・・・多少力を使いすぎたか・・・ リュウ「げふ・・・」 血だ・・・ 意識が遠のいていく。 久しぶりに、向こうの世界に行く感覚がした。 ・・・。 ・・・・・・。 ・・・・・・・・・。 ・・・独りなの 僕はいつも独り ぱぱも、ままも、いないの でも寂しくないよ ・・・僕は独りだけど独りじゃないもの 僕の名前は― いつもリィナが護ってくれた 今度は僕が護る番なんだ ねぇ、アモン・・・ ・・・。 ・・・・・・。 ・・・・・・・・・。 ゴボボッ リュウ「・・・ッ?・・・ッッ!!!」 水に浸かっている? いや、何か別な液体だ。 ここはどこだ。
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