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｢だって約束しちゃったんだもん…。｣
元気なく来夢は、俯いて答えた。
来夢の話によると、クラスの男の子と何やら駆けっこで勝負するらしい。
もし負けてしまうと…
｢『俺が勝ったら結婚しろ━！』だって…。｣
杏子さんは、話を聞いてツボにはまったらしく爆笑している。
俺はと言うと…
｢来夢…｣
｢何…？｣
｢絶対勝て。｣
｢うん！｣
どこぞのハナタレ小僧にそんな軽々しく来夢をやれるか！
｢お兄ちゃんも頑張ってね！｣
｢おぅ！まかせ……え？｣
来夢の放った笑顔と言葉に耳を疑った。
｢俺も走るの？｣
｢そうだよ～♪その子のパパとサクのパパとその他にもいっぱい！｣
…マジかよ…。
自慢じゃないが俺は、運動が大の苦手だ。
というか嫌いだ。
でも…まぁ周りは、油の乗った髪の毛が薄いメタボリック予備軍のオッサン共だ何とかなるだろ…。
問題は……。
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