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ピピピピピピピピッ
あ、ケータイ…。
着信、リュウさん?
「もしもし?」
『おぅ、レモン坊。俺や。』
いつもより低いドスのきいた声。
『聞いたか?運動会の話。絶対負けへんぞ。桜桃の前で情けない格好は、できひんからなぁ。お前も全力でかかって来いや!じゃぁな!!』
プッ!プープープー。
あの糞親父。
言いたいことだけ言って切りやがった。
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「よしっしゃ!宣戦布告は、バッチリゃな!」
ケータイを片手にガッツポーズをし、闘志に溢れた龍果が呟いた。
その様子をキッチンの方から見ていた、青い目をした金髪の女性が声をかける。
「あんた、もう若くないんゃから無理せんでええんやで?」
「阿呆か!男やったらやるからには、一番しかないゃろ!!」
「誰が阿呆ゃねん!阿呆言うた奴が阿呆じゃ!!」
「あぁ~うっさいなぁ。桜桃、父ちゃんと今から特訓や!!」
「あたし、女の子やから一等じゃなくてええもん…。」
「………。」
娘の鋭い突っ込みに暫し黙ってしまった。
が
直ぐに顔を上げて
「今の時代、男女平等ゃ!」
あっさり意見を変えた。
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