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「へぇ~それで来夢ちゃんの運動会に出るんだ?」
騒がしい教室。
『昨日のケーキ、カブトムシの味したよ~』
『カブトムシ食ったことあんのかよ~』
と言うマジで下らねえ会話が聞こえてくる昼休みの午後。
「それでさぁ…お願いがあんだけど…。」
俺は、机に俯せになったまま机に座っている美甘と立ったまま腕を窓の手すりに乗せている林檎を見上げた。
「却下。」
「拒否。」
「まだ何にも言ってねぇぇぇ!!」
思わず机をちゃぶ台返し{(ノ-"-)ノ~┻━┻}しそうになったが机の上から美甘に押さえられたので為すすべがなかった。
「どうせ変わりに走ってくれとかだろ?」
…なんで分かった?
こいつエスパーか??
「自分で走れ。俺等のどっちかが走ったとしても来夢ちゃんは、それを望むわけないだろ」
林檎がいつになく真剣な顔つきで言った。
…そうだな…俺は…。
『私、カブトムシ食べたことあるよ。』
「あるのかよ!?」
「聞けよ。俺の話…。」
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