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明日は、いよいよ運動会。
言うなれば今夜は、決戦前夜。
まだ俺が来夢にしてやれる事は、まだあるはず。
杏子さんは、明日のお弁当の下準備をしている。
「杏子さん、今日も有難う。もう遅いし今日は、帰ってくれていいよ。」
杏子さんは、俺の方を見て笑顔で言った。
「今日は、泊まってくよ。明日のお弁当も作りたいし。」
「そんな、悪いよ。明日は、日曜だし杏子さんの休日を潰すのは、悪いよ。」
杏子さんは、手を止めて少し悲しそうな様子で俺を見据えた。
「私は、居たら迷惑?」
俺は、慌てて言った。
「め、迷惑なんてことないよ!俺は、ただ…この家のことで縛られて欲しくないと思って…。」
杏子さんは、微笑んで俺の手を握った。
「別に縛られているなんて思ってないよ。あなた達といると凄く楽しいし、少しでも力になりたいと思うの。」
「…有難う。」
ついついぶっきらぼうに答えてしまった。
杏子さんの目が真っ直ぐでキラキラしていて、なんていうか…とても魅力的に感じてしまった。
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