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寝室のドアを開けると急にベッドの方で物音がした。
…こいつ。
まだ寝てねぇな…。
「コラ、早く寝ろ。明日、走れなくなるぞ。」
「眠れないよ~。」
そう言えば、俺も小学生の時は、遠足や何かイベントの前の日の夜は、中々寝付くことが出来なかった。
「じゃぁ、羊を数えよう。」
「数えたら眠れる?」
俺は、来夢に笑みを投げかけて頷いた。
「羊が?」
「一匹!」
「羊が?」
「二匹」
「羊が?」
「さぁん!」
来夢の脳天にチョップした。
「マジメに。」
「…ひゃい。」
「ねぇ、お兄ちゃん。」
「ん?」
「明日がんばるね!」
「おぅ、頑張れよ。」
そう言って来夢の頭を撫でた。
撫でている内に来夢の目が虚ろになり、やがて静かな寝息が聞こえてきた。
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