911人が本棚に入れています
本棚に追加
「おおーい!甘野さん!!こっちこっち!!」
不意にドデカいビニールシートを広げていた若干メタボ気味のおっさんがリュウさんに手を振った。
リュウさんは、その姿を目で確認すると満面の笑みを浮かべて手を振り返した。
「辛谷(シンタニ)さん!お久しゅう。」
リュウさんと俺は、辛谷と呼ばれた男の人に駆け寄った。
「どーぞ!こっちに。」
「こりゃ、えらいすんませんなぁ。」
そう言いつつもちゃっかりとビニールシートの上に座るリュウさん。
「ええっと、そちらの方は、弟さん?」
辛谷さんは、俺の方を見て愛想のいい笑みを浮かべた。
…ってか、似てねえだろ!?
「ちゃうちゃう!こいつは、来夢ちゃんの兄貴や。」
朝っぱらから豪快に笑いながら話すリュウさん。
「あぁ、これは失礼!来夢ちゃんには、いつも息子がお世話になっています。」
深々と頭を下げられて戸惑った。
何だか、サラリーマンが似合う人だなと思った。
「いえいえ、こちらこそ妹がお世話になっています。」
こういう挨拶は、何だか肩が凝るな…。
最初のコメントを投稿しよう!