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「な、なんてことするんだ!!文太(ブンタ)!!」
「だって父ちゃん!コイツ邪魔なんだもん!!」
俺は、顔には出さなかったが少しムッとした。
邪魔だったのは、解るが何も殴ることないだろうに…。
父親の顔が見てみたいもんだ。
「すいません、山見さん…。うちの息子が…。」
全くだよ…。
え?
息子さん!?
あ、山見(サンミ)ってのは、俺の名字な。
「息子さんでしたか、活発なお子さんですね。」
「ハハハ、元気すぎるのも困りますが…。ほら文太、挨拶しなさい。」
文太と呼ばれたガキは、まるで汚れたものを見るような目つきで俺を睨んだ。
「辛谷文太だ!よく覚えておけ!!」
…このガキ。
ゴィン!
「あんたは!全く…!すいません。」
隣にいた少しふっくらした女性にどぎつい拳固(ゲンコ)をくらってフラフラしている。
「ハハハ、いいんすよ。別に。」
…ざまあみそらせ。
「まぁ、男は、こんぐらい元気なかったらいかんからなぁ。」
辺りにリュウさんの笑い声が広がった。
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