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そんな中、ただ一点だけを見つめて動かない来夢。
その視線の先は…
「「あぁー!!」」
来夢は、見つめていた者に指を差して、声を上げる。
それは、文太だった。
見れば文太も来夢と同じように声を上げ、指を差している。
「どうしたんだ?友達に指なんか差すなよ。」
「この子だよ…。あの約束したの。」
来夢は、俺の後ろに隠れて袖を引っ張りながら小さな声で呟いた。
「あの約束、覚えてるだろうな?」
文太が不適に笑い来夢に近づく。
「お、覚えてるよぉ…。」
顔を近づけられ、顔を引きつらせながら三歩下がる。
文太がフンと鼻で笑った。
「まぁ、どうあがいても女は、男に勝てねえからな!」
「でも……
あんたなんかに絶対負けないよ!」
おぉ…。
こんな感情剥き出しの来夢は、久しぶりに見た。
「はぃはぃ!止めい!止めい!!」
シーさんが手をたたきながら二人の間に入った。
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