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「もうすぐ開会式ゃで?その意気込みをかけっこにぶつけたらええやろ?」
ニカっと笑い二人の頭をクシャッと撫でる。
二人は、どこか納得がいかないという顔で渋々、クラスの列に並んで行った。
「すいません、本当に…。」
「大丈夫っすよ、子供の喧嘩なんだし。」
でも来夢の顔に傷でも付けたらあのガキ殺す。
「ほらもうすぐ始まりますよ。」
杏子さんが促す方を見るとよくお迎えのバスに乗っているアンパンマン先生がアナウンスをかけ、子供達が入場門から出てきた。
どの子も一生懸命に手を振って更新している。
緊張しているのか真剣な顔つきをしているがマジで可愛い。
「どこ!?どこ!?うちの子は!?」
「あいつどこにおんねん!?」
どの親も我が子の晴れ姿を見ようと首をキョロキョロさせ、必死に探している。
来夢は……いた!!
青いリボンがトレードマークの来夢は、列の真ん中で他の子と例外なく顔を強ばらせている。
他の子も可愛いが来夢は、どの子よりも輝いて見えた。
「おぉ!おった!!お~い!桜桃(サクランボ)!!お前が一番べっぴんやぞ!!」
「おおい!!文太~!カッコいいぞ~!!」
どの親も我が子が一番輝いてみえるんだろな…。
…でも一番は、来夢だから。
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