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年長組の駆けっこが始まり一着をとって満面の笑みを浮かべる子もいれば、転んで泣いてしまった子もいる。
来夢には、勝てなんて言ってしまったけど出来れば怪我無く無事に終えてほしい。
文太と来夢が白線の手前に立った。
「文太~!!頑張れ!」
辛谷さんが遠く離れた文太に向かって激励を放つ。
「来夢!!」
遠くから呼び掛けたにも関わらず来夢は、振り向いてくれた。
「世界一可愛いぞ!!」
俺の掛け声で会場にいた保護者の人達が爆笑した。
…間違えた…。
あんまりにも可愛いからつい声に出してしまった…。
そんな状況でも来夢は、笑顔で俺にピースサインを向けた。
「何言ってんの?」
「う、うるせー…。」
顔が熱い。
自分でも分かるぐらいに赤面しているようだ。
そして、野崎先生が高らかにピストルを掲げた。
『位置について、よーい!』
マイクから声が通されて会場に響き渡る。
パーン!!
高い音が響き渡る。
来夢達が一斉に駆け出した。
おおおぉぉ!?
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