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来夢速ぇぇぇぇ!?
ピストルの音が鳴ってまもないと言うのに二位との差は、随分とある。
「アハハ、心配なんか必要なかったね。」
杏子さんは、乾いた声でカラカラと笑った。
確かに心配なんか必要なかったな。
来夢は、てっきり運動が苦手だと思っていた。
しっかりしているようで意外と抜けている奴だから…。
「あぁ!」
あ…転んだ。
視線を戻すと俯せになって転んでいる来夢が視界に入った。
「来…。」
来夢は、直ぐに立ち上がり、走り出した。
その間も順位は、変わらず一位だった。
そして、そのままゴール。
俺は、その時の来夢の笑顔を一生忘れないだろう。
例え今日と言う日を来夢が忘れてしまっても俺は、ずっと覚えている。
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