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「あの…先輩!ずっと好きでした!付き合って下さい!」
山吹色の優しい光が教室を包み、そこに1人の乙女が1人の男に愛を語る。
男は、優しく乙女に微笑みキスをする…。
短い幼稚なキスだ。
男は、唇を放し乙女に自分の愛の矛先を語った。
「有難う…。でもやっぱ付き合えない。」
「……は??」
乙女は、まるで豆鉄砲を食らった様な顔をした。
「今、キスしましたよね…?」
「うん。」
「何で??」
「そこに唇があったから。」
乙女は、これでもかってぐらいに眉を顰め、綺麗な指で額を抑えた。
「…私のファーストキスでしたよ?」
「そうなんだ?有難う!俺は、キミの初めての人だね!!」
乙女は、終いに俯き肩を震わせた。
「あ、キミお昼カレー食べたでしょ??ちょっとスパイシー…」
俺が言い終わる前に…乙女は、右腕を引き、そのまま俺の顔面にアベシッ!?
「…○ね!この屑男!!」
乙女は、恋の炎に焦がれ鬼になり男にナイスな拳を叩き込んだ。
捨て台詞と共に男に唾を吐き捨て、教室を去った。
残ったのは、無残な男の骸と倒された机、それに男の口の中に残るカレー味だけだった。
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